巻き添えの柑橘ちゃん

昨日の疲労が残っている…

そして今日はルートの選択肢はそんなにない。

そうだ!

どうせなら柑橘ちゃんを巻き込んでちょっとサボってやれ!

私「いつまた一緒になれるかわからんから共に行くか我妻よ?」

柑橘「ええ、あなた…寄り添うわよ…。」

柑橘「山道へ道連れだけどね!」

柑橘「ホントに無理しなくていいよ?ついてこなくていいからね?山道だから違うルートでいけばいいよ?」

出た!またダチョウ倶楽部作戦!

そう、忘れちゃいけない

どんなときでも険しい山のルートを選んでは

野ション

するという癖の持ち主だということを…

柑橘「私は野ションが好きなわけじゃないよ!
ただ開放感はすごくあるのよね!」

私は昨日張り切りすぎたため身体も痛いし倦怠感も凄いので
柑橘ちゃんのペースに合わせながら気軽に行こうと思った事も理由の1つだ。

道中の話、重い話になった場面で印象に残った言葉があった。

柑橘「お遍路に来る前は凄く辛かった…頑張った…だけど誰にも褒められず本当に苦しかった…もう終わりにしたかった…」

真面目が故に頑なな神経症状や脅迫症状を持ち合わせているのはわかっていた。

※腐ってもカウンセラーなので真面目に話は聞くんです。
後々気づくんですが、私のお遍路は人の悩みのような事を聞きながら歩く旅になっていたような気もします。

真面目に話しつつ
なんか少しイラっとしたので登山ポールでケツを刺してやった。

※お遍路中になんて不謹慎で不埒なんだ?!と思いますよね?
ええ、私もそう思います。

柑橘「な、な、な、何すんのー?!」

ケツを刺しただけだよハニー。

柑橘「イヤー!!」

足が痛いと言っていたのに物凄いスピードで下りを駆けて行く。

そのスピードたるや、私が真面目に歩いても到底追いつけない。

柑橘「歩くのも登るのも遅いんだけど下りは超早いから登山でも合わせたら平均タイムになるのよね~」

これはあの足の長さからくるのだろうなどと思ったりした。

柑橘ちゃんの腰は私の首ぐらいにある。笑

そうこうしていると古風な建物が見えてきた。

時代劇にでてくるような建物。

そして5人で出迎えてくださった。

何だここは!?

殿凄く人当たりも良く優しいし
いきなり高級なホテルの接客を受けてるような世界へ入った。

そう、知る人ぞ知るお接待場所

旧お遍路宿「坂本屋」

その昔、お遍路専用に建てられた宿であり
今もその珍しさから寄付金などで存続しているという
超貴重なお接待宿なのだ。

昔のお遍路が来て直ぐに寝て、直ぐに出て行けるように
玄関から道が続いておりすぐに居間があるのだ。

私がテレビ出身、動画関係だと話をして盛り上がった。
どうも坂本屋はNHKのドラマで使われたらしい。

喋りの基本は2人のおやっさん

物凄く当たりがいいので普通はわからないと思うが

彼ら二人は

私寄り!

の人間であろう。

ギャグセンの高さと
見え隠れする下衆感と仕事できるだろうな~と思う感が滲み出ていた。

共に飲んだら100%良い酒が飲めるだろうと感じた。

が、そこは大人同士

完璧に猫を被っている3人であった。

柑橘ちゃんはそういうところは疎いので素直に喜び
素直に感動してもぐもぐと何やら食べていた。

柑橘「鳥取から来ました~」

おじA「おおー!珍しい!」

おじB「鳥取砂丘買うたるよ!」

完全に飲み屋トーク。笑

もはやここで一杯飲みたかったがお遍路中なので自粛した。

足の痛い柑橘ちゃんは感動し何度も喜びを口に出し勧められるがままに麦茶を五杯も飲んでいた。

こやつ…

また野ションする気かっ!?

柑橘ちゃんはどちらかというと伏し目がちで大人しい印象で
背は高いのに何となく暗さと影を持ってるのだがそこがまた人を惹きつけるのだろうと思った。
変な人もかなり惹きつけそうなのだが。

私はスーパー猫被りマンなので相手が見抜いてくれない限りはただの明るい童顔おじさんに見えなくもない。

なんやかんやワイワイと真心のお接待を受け、感謝感激を伝え旅路を急ぐ。

おじB「うちのブログに写真載せてええか?」

二人でYESをお伝えし
実は坂本屋のブログに載ったのは内緒にしておこう。

ブログを見たらBRがなぜか載っていて、かつ全く日本語が話せない&声がでかいことが書いてあって笑った。笑

ありがとう坂本屋さん!

順調に46番、そして今日のラストの寺
47番札所「八坂寺」
お参りをしている最中
怪しげな麦わら帽子のようなものを被った外国人の後ろ姿を認めた

参拝から戻りベンチで柑橘ちゃんと合流

自由人のBR

柑橘ちゃん「なんかBRみたいな人みたんだけど本人かな?」

私「あの体型だけ見たら間違いないと思うんだけど…」

何でいるんだろうか?

八丁坂を歩く気満々に言っていた彼

もし歩いていたならここまでは辿り着けないはずなのだ。

私「BR?!」

BR「へーい!!」

私「あんだけやる気だしてたのに八丁坂どうしたの?」

BR「来年にしたわ!」

え?🙄

BR「歩くより寺めぐる方が楽しいからな!」

3日目にして辛そうな場所回避。笑

私「まあまたどっかで会えるでしょ!元気でな!」

Br「おーっと、杖を忘れたぜい!」

私「杖なんて持ってたの?」

Br「さっき納経帳と一緒にGETしたんだぜ!」

Br「杖忘れたら恥だからな!」

いま忘れてたろ(笑)

こうして謎のBR談義も混じり和やかな一日は終わった。

そうこうして互いの宿へ別れる。

私は松山市内まで入ってピストンする予定だったので先まで向かったのであった。

Fin.

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