【メロドラ】
私は恋愛物は嫌いだ。
もう一度言おう
恋愛物は飛び抜けて嫌いである。
そう!
そんな私と同じ思いの君はこの記事だけはスキップすることをお薦めする。
※注意
ここから数話
柑橘ちゃんストーリーになるので閲覧注意。それなりに下ネタも出てきます。
同じホテルに加えて
バスがめっぽう少ないので柑橘ちゃんとは同じ出発になった。
せっかくなので一緒に行ってみようかということで二人で歩き出す。
よくよく考えたらアニーさんとほんの少し一緒に歩いたことはあれど、一日誰かと一緒に歩いたことはなかったのだ。
そう
初体験!!
である。
ああだこうだと色々な話をしながら歩く。
実は二種免許を持っていることや英検二級を持っていることなど意外なことが目白押しだった。
ひたすら歩く。
私「我々、夫婦みたいだねえ」
柑橘「そう見えるかな~?」
どう考えても年齢的にパパ活とかには見えないはずだ。
柑橘「外国語で奥さんを紹介するのいいよね~」
私「Why?」
柑橘「だって“私の”妻ですって紹介するじゃない?」
私「俺の妻と呼ばれたいの?」
柑橘「それはグッとくるよお~」
乙女心の神聖性を聞きながら歩く。
村人A「お?君たち夫婦で歩いてるんか?」
ええ 私が旦那です!!
これは男女話でよくあることで、否定をしたら否定しなくていいじゃんと怒られ、調子に乗ると乗ったで怒られるパターン。
ならば調子に乗って怒られる方を選ぶまでである。
私の妻です!!
ドヤー!!
完璧にすっきりした顔をして歩き出す私。
爆笑する柑橘ちゃん↑
【心変わり】
そして柑橘ちゃん、実は区切り打ちのつもりで初めて1番からここまで歩いてきたそうだ。
既に数日後、帰りの切符も買っていたそうだ。
何だか切なくも寂しい気持ちを感じながら歩いていた。
柑橘「私…切符… 払い戻してくる…!!」
柑橘「私は…歩く!!!」
お遍路王に
私は成る!
おう…!?
どした?話きこか?
事情は深く重い個人情報なので割愛するが、彼女の中で何かの変化が起きたみたいだ。
これもまた、私との縁、共に歩く中で出会う物語の変化なのかもしれないと思った。
まあ
お遍路王にはなれないけどな!
姫でも無理🙄
そして共に39番-延光寺を打ちに行く。
そこでたまたま出会ったお遍路13回目という猛者のおじさんと
雰囲気からして柔らかく、そして優しく、そして切なさを兼ね備えた逆打ちのボーイッシュお姉さんに出会った。
グラサンが印象的だったので吉川さん、そしてお姉さんはヘレンとしておこう。
何の捻りもないので割愛。
私「お遍路ってスピード競ってる空気感ありません?
私にはちょっと理解力できなくて。」
吉川「お遍路ちゅーのは昔は50日~60日が当たり前で、迷子も当たり前、しかしどんどん日数を早く回るような習慣になってきたんだよ」
ヘレン「ほへー」
ヘレン「私はそんなに歩けないから20kmちょっとのペースで50日ちょってみてやってるんですよ~」
吉川「怪我や無理する必要はないんだよ」
私「怪我や動けなくなる、宿に辿り着けなくなるのは地元の方に迷惑かかりますしね。それはアカンと思います。」
私「地元の人は
(ああ…あんまり関わりたくないし呼んでもいないお遍路さんがまた苦しそうにしてるよ…ああもうしょうがないなあ…見るに見かねて)
どうしたのお遍路さん?」
と言うことだと思うんですよね。
吉川「その通り!迷惑かけてまでやっちゃいかん。ただでさえ迷惑はかかるんだから。」
ヘレン「ほほー」
吉川「俺は今日で今回は区切って帰る!足がおかしいんだ今回は。」
潔く、1番からココまで歩いてきた事に見切りをつけ、潔く帰れるというのはとてもカッコイイなと思った。
吉川「奥さんがうるせーんだよ!」
照れながら奥さんの自慢をするところもニクイ。
そうして去っていった。
その後はヘレンさんと写真を撮ったり雑談をしたりした。
ヘレンさんはちょっと前までこの辺りに住んでいたらしく、友達に会ってお休み取るんだ~と笑っていた。
深くは聞かなかったが
切なさと儚さと優しさを感じさせる笑顔だった。
こういう雰囲気の人がカウンセラーになるといいのにな~と心から思った。
そして気付いてしまった…
両手に華!!
いや、まあだからなんなんだっていう。笑
【歩ける幸せ】
そして柑橘ちゃんと寺を出て互いの宿へ向かうため別れる。
私は「鶴の家旅館」へ。
宿について気付いた事があった。
歩ける!!
何を言ってるかわからないだろうが
足が激痛に苛まれて毎日ギリギリで歩いていた私は
チェックイン後に普通に歩けたことがないのだ。
立ってもいられないほどの痛みがドッと押し寄せて
普通に歩くなど不可能だった。
歩けるぞ!!
普通に歩けることがこんなにも嬉しい事なのだと痛感した。
徳島から高知へ入り、ずっと人知れず一人で足の痛みと戦い続けてきた孤独。
それでも諦めずここまで歩いてきて体が強くなっていく感覚。
夕方の散歩へでかけ
田舎のどこにでもあるような夕焼けなのだが
グッと溢れる想いを噛みしめ黄昏れるのだった。
宿の女将さんもとても温かく
お接待でお洗濯を干すところまでしてもらえるというサービスも非常に助かるし嬉しかった。
明日からは普通に歩けるんだと思うと
自然と心も軽くなった夜だった。