【さよなら高知】
この日はあいにく朝から土砂降りにすぐ変わっていった。
宿毛を抜けて愛媛県へと入る日程だ。
長かった高知にGood bye!
昨日歩いた道を電車で戻りスタート予定。
駅では雨が降ってるのに女子中学生が待合室に入らないでいた。
何だろう?と覗くと
植物が飛散した残骸のようなものがあった。
私「ああ、これは座り辛いし足の踏み場もないから汚れるね」
と1人納得して待合室に入った。
ギャーーーーーー!!!!
※閲覧注意
これ全部カメムシやないかーい!!
ああ…
朝一から心が削られてしまった…。
そうこうして、ずぶ濡れながら一人でテクテクと歩く。
お遍路にありがちな
急にコノ道入るの?!
みたいな道にもやられながらひたすらずぶ濡れる。
おそらく途中で柑橘ちゃんを追い越したっぽく私の方が先にお寺へ「40番-観自在寺」着くような感じだった。
【本性はワープ遣い】
するとLINEが鳴る。
柑橘「ワープしちゃってもうお寺終わったよ!」
なにぃ!?
そう、柑橘ちゃんは自分の好きな古道や遍路道が終わるとバスや電車で
ワープ
するのだ。
疲れてもワープするんだけどね彼女は。
ワープ遣いの柑橘
で有名なのだそう。
柑橘「お接待で送って頂いたの」
そうかそうか
人それぞれのお遍路があるからいいと思うんだ!
むしろそこを無理して怪我する必要もなかろうと思う。
LINEが鳴る…。
柑橘「私かんきつちゃん… いるよ…」
柑橘「私かんきつちゃん… う…ろにいるよ…」
柑橘「私かんきつちゃん… あなたの後ろにいるよ…」
ぎゃー!!!!
メリーさんと化した柑橘ちゃんが背後にいた。
このお寺には何故か沢山の人がいた。
ツアーに観光なのか…
ツアーを引き連れたミニチュア江原氏のような人
GoProをローアングルで振り回すおばちゃん占い師
女性10人を引き連れてオラオラしている自称お遍路マスター
メリー柑橘ちゃん
水晶を持ったおばちゃん
まともなのは俺だけか!
まあいいやと歩き出し
そして閉店間際のお祭りを見つけ柑橘ちゃんと屋台を貪った。
【予感の前兆】
なんか甘ずっぺーなー
何で俺は青春してるような感じになってるんだろう?
まあいっか。
湧き上がる疑問は胸にしまい
これもまたお遍路の良さの1つでもあるのかもしれないなと思った。
甘酸っぱすぎたのとビショ濡れで写真をほとんど撮っていないことに後で気づいた…。
ルート的にもスピード的にも
そろそろ柑橘ちゃんとも別になるだろうと解っていたこともあるが…。
一時の縁が紡がれると言うことのありがたみを噛みしめる。
人は人と触れあうことにより勇気をもらえるというのは間違い無いことである。
私のお遍路とは
私自身との会話。
そして
人との縁で構成されているのだと改めて気付いた。
Fin.